約 349,549 件
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/160.html
ベルタワー プロローグ 前編 後編
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/165.html
「えっと、噂は…なんだっけ。開かずの扉があって、声が聞こえて、開けたら…。 開けたらどうなるかが分かんないままなんだよねぇ…?」 「は、はーちゃん、あんまり前に行かないでー…何かをすると声が聞こえるのかな? トイレの怖いお話で定番だと、ノックとか、声を掛ける…とかな感じはする…けど。」 先陣をきってずいずいとトイレの中に入っていくハナの後ろで、「怖いー」と服を引っ張る練。 「えー、じゃあとりあえず叩いてみる??コレだけ大人数だし、なんか出てきたらブン殴ればなんとかなるって!たぶん!」 「えっと、揚羽さん?流石にソレは無理があるんじゃ…!」 パシンと拳を掌に打ち付ける揚羽の傍ら苦笑いを浮かべながらカヤが突っ込んだ。 「ある日の放課後…」 「水島さん?思い出したんですか?」 突然七恵が口を開き、隣に居たハナが問いかけると三人も自然とそちらに視線を向けた。 「…数人の女子生徒が連れ立ってトイレに向かったあと、一人だけ戻るのが遅れた子が居た。 トイレの外から呼ぶ友人の声に返事をしようとした時、耳元で別の声が聞こえる。 「こっちだよ」と呼ぶ声は友人とは違う、聞いたこともない女の子の声で―――」 七恵は淡々とまるで目の前で見ていたかのように噂の詳細を一部始終語った。 扉の向こうに何があるか、そこだけは空白のまま。 「…リ、リアルっすね…まるで経験者みたいな……」 カヤのその言葉になんとなく胸のざわついていた練が小さく唾を飲み込み、申し訳なさそうに口を開く。 「…私の杞憂かもしれないんですが…というか、もの凄く失礼しちゃうかもしれないんですが… …あの…もしかして、水島さんって、、」 「私はただ普通に皆と触れ合いたかっただけなんですけど………ね。」 練の言葉を遮るようにそう言うと、どこか寂しげに眉を下げながら笑う七恵。 「…私は人ならざるもの……、私自身が『七不思議の怪異』。 でも…皆が私を知ってしまうと二度とこうして人に成ることが出来なくなってしまう。」 七恵はじっと自分の掌を見つめてから、貴方たちに向き直る。 「……だから、自分勝手でごめんなさい……忘れてね。」 七恵がそういうと、あたりが真っ白の光で包まれ…貴方たちは意識を失った。 シークレット【水島七恵の正体】を達成! 100P
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/205.html
呪いの家 プロローグ 前編
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/93.html
報酬 専用特殊技一覧 特殊技習得者名 習得技名 効果 消費 烏月揚羽 風精召喚・桜夜 フロイントを3回連続発動が可能になる(任意) パッシブ 行成ハナ カレイドスコープ 常に暗視+戦闘開始時全体にサーチアイ自動発動(任意) パッシブ 白神凪 スプリガン 加速装置作成を戦闘開始時に自動発動(任意) パッシブ 六角屋灼 炎精召喚・朱雀 リバイバルハート発動時、対象が戦闘不能から回復した場合に発動可能。技能・知識が3回まで+500される OP5 桐石登也 マグネットスパーク 発動後自分の体を帯電体質と化し、麻痺の状態異常・光属性を無効化するが、闇属性に弱くなる。また非戦闘時は鉄にくっつくことも可能 OP3 瀬名波那智 3STEP 敵が1体の時に剣技舞来を発動した時に発動宣言可能。その後砕矢、通常攻撃のコンボを放つ(MP消費は無し) OP4 藤八沙耶 暴走エクストラ 消費MPが5倍になるが、黒魔術のダメージが3倍になる(発動宣言は1行動に含めない) OP5 東雲直 神剣流奥伝・天鵞絨 行動終了時に発動宣言をすることで、次の自分の行動時になったら発動。残りHPが5万以上ある相手に9999の固定ダメージを与える。それ以外は2000の固定ダメージ。発動宣言時の行動が剣技舞来だった場合、効果は単体から全体へと及ぶ OP10 柳茜 スパン スピア発動時、消費MPを5倍にすることでスピアの効果を3倍にする。スパン発動後、即行動が可能(任意) パッシブ 天瀬麻衣 クライン・レビン 自分を含めた敵味方全員を強制的に1ターン気絶状態にする OP5 桜木有布 剣の鞘 1ターンの間、受けたダメージを技能へと変換する(技能上昇は戦闘中永続/戦闘不能になると上がった技能数値は0に戻る) OP7 日野守桜 サヴァンアルケミー 非戦闘時のみ発動可能。漆黒の翼を出し、ある程度の時間空中を飛べるようにする。発動中、火・風属性ダメージを受けると即倒する(任意) OP3 向坂維胡琉 シルフス リーフクルツLv3発動時自動発動。全体化+1ターン裂傷判定を行う パッシブ 夢崎麻也 オーラン オーラ発動時に発動可能。1ターンの間、対象が回復したHP分、精神も上昇(判定数値ではなく、あくまでも回復したHP分上昇) OP3 菫明華 絶対領域 リバイバルハート発動時に同時発動。そのターン、敵の全ての行動対象から外れる パッシブ 祠堂統 影糸 影糸+蜘蛛糸(両方の特殊技は一つになる) OP3 福良練 ティエラライザー キュア発動時に発動可能。キュアの回復数値分、味方全員のHPを回復しつつ、敵全体にダメージ。キュアLv3の時は練の最大HPの2倍の数値分の固定ダメージを与える OP7 蛇姫神紗咲良 ミスリル コンセントレート中で、かつコクールを発動時に発動可能。コンセントレートの効果が消滅するが、次の自分の行動まで一切の攻撃・状態異常を無効化する OP7 綾野涼雨 コピーライズ 前の人物と同じ行動を行う OP15 浅海邑咲 サルバトーレ 毒麻痺魔力ゼロにかかっている敵全ての状態異常を解除する代わりに、知識6倍ダメージ OP10 鬼ヶ原空 アシッドウェーブ 水流の玉を戦闘開始時に発動時のみ発動可能。当てた対象の水属性耐性を、発動した水流の玉のLv分のターン、強制的に弱点にする OP7 志島武生 トリックスリップ シャドウウイング発動時、イークレットも同時発動が可能 パッシブ 甚目寺禅次郎 コールデューティー 技能2倍ダメージ+防御効果無視。発動回数はOPがある限り任意で決める OP3×発動回数 板垣勝猛 大車輪 カウンターで風車を発動時に可能。風車のダメージを2倍にする パッシブ 寒河江由加 ウィークヒッター 弱点じゃない属性の攻撃の特殊技を発動した時、自分の魔術の中に弱点属性があれば弱点を知り、さらにその魔術を発動可能 OP3 幸村カヤ ウルフズベイン 自分が攻撃対象になった時、攻撃してきた対象を確実に3ターン毒+1ターン炎上状態にする パッシブ 水上鎮 ディフェンダー 自分が受けるダメージを無効化した時(ダメージ0でもいい)発動可能。攻撃してきた対象に固定2000ダメージ OP3 日浦博喜 真打登場 戦闘中、倒れた仲間のステータスを自分に上乗せする(HPが0になって倒れた瞬間に発動可能。倒れた仲間が戦闘不能回復まで上乗せしたステータスの状態になる)。二人以上上乗せすることはできない(一人のみ) パッシブ 月宮香蓮 アルセーヌ 表情を魔力で変化させることが可能。また、魔力のかかった鍵も開けられるようになる。非戦闘時専用 OP1 沢平竜平 チャージ 次の1度、ダメージが5倍になる。またチャージ中は受けるダメージが半減する OP5 深海将己 灰の魔術師 スペルケープ作成が将己にかかった時に発動宣言可能。全ての攻撃で与えるダメージが2倍&受けるダメージが半減するが、生存本能の発動ができなくなる(解除は自分の行動時に可能/解除に1行動消費する) パッシブ
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/87.html
1 3月になったとはいえ、昼間の海水でも全身を冷やすだろう。 飛鳥の魔術道具による海底に潜る道具を使い、直接水には触れていないとはいえ、ひんやりとした空気が周りに漂うのだ。 遺跡の中、A群へと進んだのは天瀬麻衣、行成ハナ、福良練、柳茜、甚目寺禅次郎の5名は、暗い海中の遺跡の中、防水加工がされた懐中電灯を照らしながら進む。 遺跡はかなり朽ちており、瓦礫が遺跡の底へと至る所で沈んでいる。 左右正面と来た道以外に3カ所へ進む道があり、正面の門は鍵穴もなく固く閉ざされている。おそらく、左右の道に先へ進む何かがあるのだろう。 左右にはブレードのトラップが動いており、盲アンコウがその周囲を動き回っている。 盲アンコウは貴方達に気が付き、ゆっくりと泳ぎながら襲い掛かってくる! まず禅次郎が剣技舞来Lv1を放ち2体を倒すと、茜がフリーファントLv1からのW4U発動で、1体を撃破。 W4Uの効果で茜の技能が100上昇(撃破ボーナス)する。 仲間を倒され、怒った盲アンコウは茜に噛みつき120のダメージ。 そのまま盲アンコウは茜にぶつかり溶けるように消えていった。 茜のステータスがALL100下がる。 練がすかさずキュアLv1を発動し、茜の傷を癒す。そして麻衣がブレスLv1で茜のステータス異常を回復した。 敵がいなくなり、全員でブレードの解除を試みる。ハナがスイッチを押した瞬間、右側のブレードが止まった。 しかし、その奥から盲アンコウが2体やってくる。この遺跡A群にいた盲アンコウとほとんど変わらないが、強さはさらに上。 おそらくこのエリアには餌になる魚も見当たらないため、弱っていたのだろう。やってきた2体はかなり動きも活発だ。 禅次郎と茜が2体と応戦している間に、麻衣と練がスイッチを探し、押そうと探し始める。 練がスイッチを見つけて押したが、二兎を追う者は一兎をも得ず。禅次郎や茜を回復しながらトラップ解除までは彼女には荷が重すぎたのか、スイッチを間違え押した瞬間10体の盲アンコウが右側から呼ばれるようにやってきた。 しかもハナがずっと押していないと、スイッチは自動で解除されてしまう類のようだ。 ならば一旦スイッチを解除すればいいと思うが、盲アンコウはうまい具合に前線の茜と禅次郎を囲み、今スイッチを離せば動き出したブレードが彼女らに当たってしまう。 練は茜と禅次郎のサポートをするべく、スイッチ探しを麻衣に任せたが、いかんせん数が多い。 皆がピンチと思った時、貫糸の糸、そしてリーフクルツの風が盲アンコウへと当たった。 仲間が来たのだ――。 2 煌々の道へ来た向坂維胡琉、板垣勝猛、日野守桜、桐石登也、烏月揚羽、日浦博喜の6名は、維胡琉と桜以外の4名がひきつけ、桜のスペルオールから、維胡琉発動のリーフクルツで海木樹33体を一掃した。 ひとまず水中への道の確保が完了した面々は、維胡琉、登也、桜、揚羽の4名はそのまま遺跡内部へと進む。 残った勝猛と博喜は、要救助者が出た時に備え海中で待機するのだった…。 3 麻衣、茜、練、ハナ、禅次郎は維胡琉、登也、桜、揚羽の4名と合流。 それに伴い練と茜はスイッチ探しに徹し、維胡琉と登也と揚羽がアタッカー、麻衣と桜が回復手へと切り替わった。 コンセントレートLv1からのリーフクルツLv1は、盲アンコウの弱点というわけではなかったが、登也の貫糸Lv1、揚羽のフロイントLv1と禅次郎の剣技舞来Lv1合わせ1体1体確実に撃破していく。 盲アンコウは噛みつきを行うが、麻衣がキュアLv1、足りない場合は桜のオーラLv1というパターンを2回繰り返したころ、5体の盲アンコウを撃破し残り7体になった時。 茜がスイッチを探し押す。すると左側のブレードが止まり、大きな音と共にスイッチは固定化された。 茜、練、ハナも戦闘に加わり、他5名は同パターンを再度行いつつ、茜は再度フリーファントLv1をかけなおしW4U、練はキュアLv1で回復しつつ、ハナはオーラバッチLv1を茜に使い撃破スピードをアップしていく。 それでさらに4体撃破し、残り3体。後は盲アンコウに攻撃される前に、通常攻撃で全滅完了を行うのだった。 ― これで安全に左右の道へ進めるようになったが、貴方達は一度引き返すことになる。 船上に戻り待機していた勝と博喜の2名から、至急戻るようにと連絡があったのだ――。 ✩依頼:魔物の生態調査の進行度+1✩ ✩調査:海中調査完了✩ ✩シークレット3つ目:呼び戻される前に海上・海中の調査を完了しているを達成✩ 戻る
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/138.html
水島七恵の案内で行成ハナ、鎮守由衛は美術部室へやってきた。 「ここです。電気がついてますし、まだ誰かいらっしゃるみたいですね。」 「へー、ここが。…で、美術室に何しにきたの僕ら? 」 七恵がそういうと、後ろからだるそうについて来ていた由衛が興味もなさそうにへらりと笑って。 「傘の噂を体験したっていう中谷さんにお話を聞きにきたのですよっ。」 由衛の今更な質問にも動じることなく、ハナが両手をパタパタさせながら応えると扉をノックしそっと中を覗き込んだ。 「お邪魔しますです…どなたかいらっしゃいますかー?」 中には油絵を描く男性の姿があり、声に気づいたようにこちらを振り向いたところで目が合った。 ハナはにっこりと笑って扉を開き、ぺこりと頭を下げた。 「あ、あの、突然すみませんです! 中谷さんはいらっしゃいません……ね。 あの、あの、私たち七不思議について調べてたのですが、みゆきちゃんの傘について何かご存じないでしょうか??」 くるりと室内をみまわすも、他に人影はなくへしょりと眉を下げてから、再び男性に向き直って小首をかしげた。 「中谷ならもう帰ったよ。あれ以来、夕方に残るのは止めてる…。俺が知ってることなら教えてやってもいいけど。」 「そ、そうですか…それでしたら是非教えていただきたいです!お兄さん、中谷さんと仲良しさんなのですか?」 帰ったと聞いてしゅんと再びしおれるが、すぐさま立ち直るハナをみて思わず男性は小さく笑う。 「まぁ、一応同じ部活やってるしな。部員少ないから。 …ところで、そっちの君、触ってもかまわないけど、壊さないでね?」 「あ、バレちゃいましたー?すみませーん。 もしかして、おにーさん、中谷なんとかさんのカレシだったりしてー?」 飾ってあった石像をつつき遊んでいた由衛に、軽く注意するが由衛は全く気にした様子もなく手持ち無沙汰になった両手を首の後ろに組みながら、適当なことを言っていた。 「そうなんですか!?じゃあ心配ですね…大丈夫でしょうか、中谷さん。」 「いや、違うけど…心配には変わりないかな…。 あの日最後に会ったの俺だし、一緒に帰ってればあんなことにならなかったかもって…。」 由衛の言葉を真に受けたハナに苦笑いをみせながら否定する男性は、そういった後、窓に打ち付ける雨を見ながら話を続けた。 「あの日…今日みたいに夕方から雨が降るって予報だったんだけど、彼女傘を忘れたっていって先に部室を出たんだよ。 けど、結局雨が降ってきちゃって、たまたま傘立てにあった赤い傘を手にしたんだって。 誰かのかもしれないのにね、なんか分からないけど迷わずその傘を掴んだ…何かに引き寄せられた気がする、って言ってたな。 それで、傘を開いてしまった…。 俺が帰ろうと、外に出たときはそんな傘落ちてなかったんだけど、ただ雨の中走りさる彼女の後姿だけは見たんだ。 青ざめた顔で、声をかけたけど気づかなかったみたいで… あとは、まぁ噂にあるとおりだな。 彼女自身殆ど覚えてないみたいだし、直接聞くのも止めてやってくれるか?」 男性がそこまで話すと、眉を下げ力なく笑って。 二人は神妙な面持ちで小さく頷き、由衛はあくびを漏らしながら、はーい、と片手を挙げていた。 噂【みゆきちゃんの傘】の真相を解明!
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/183.html
8月18日、午後20時。 柳茜は、ある程度病院の1階2階を探索し終え、松原エレナと連絡をとっていた。 『で、何かわかったの?』 「そりゃーこっちのセリフでしょ。こっちは充電器を病室で見つけたくらいかな。 1階でカルテ見て、総当たりで2階まで調べたけど、それらしき人形もってる子は全部ハズレだったし。 トイレも見たけど、絶対ビックリポイントだと思ったのに、それもなくて肩すかしだしさー」 『いいじゃんその方が!あかねはもっと安全にいきなよ!』 「わかってるよ、だから地下は行ってないでしょ?携帯の電波通じなくなるし」 そう言って、階段の更に下を見る。 絶対に何かある。それはいい意味か悪い意味か、どちらにしろ絶対に。 そう確信が茜にはあった。 『それから、一応その病院特定したよ。紅の郊外にあった、六星病院って場所だね』 「……特定できたの?」 『あたしを誰だと思ってんの。天下の松原博士の孫娘よ』 ふふん、と得意気に鼻を鳴らすエレナだったが、実際はカルテに潰れた文字で星は把握できなかったとはいえ六はわかったので、特定は容易いんだろうなーと茜は思っていた。 『それと、そこで死者が続出して、医療ミスとかで少し騒ぎになったみたい。そのせいか院長が自殺して、廃病院になったらしいよ。今、晶にそっちに向かってもらってるから。現地で合流してね』 「了解。あー、でもさ。まだ地下調べてないんだよね」 『あかね……何度も言うようだけどさ』 「わかってるよ、一人で行かないよ。春日井さんが来たら、一緒に行ってみたいんだけど……」 『あかね!』 あー、やっぱり怒るよな、と電話を少し話しながら、大体危機感がなさすぎと説教を始めたエレナを口うるさく思った。 しかし、今の茜には一番頼りになる人物のため、わかってるよ、と相槌を打つ。 「でもさ、根本的に解決しないと、このホラーってまだ続いてんでしょ?」 『みたいだね。でも特定はもうあきらめたら?実際、人形なんてなかったんでしょ?』 「そうなんだよねー。でもあれは確かに、【カエシテワタシノニンギョウ】って聞こえた。だから、絶対にあると思う」 『まったく……じゃあ探してみれば?』 エレナはそういうと、通話は切れてしまった。 まずったなぁ、と思いつつ、茜は人形探索に繰り出す。 いつ来るか春日井を待っていると、いつになるかわからない。 それに、当事者でない人間がいても邪魔になるだけだ。 おそらく、エレナもそれは理解しているためか、あんなに怒っているのだろう。 「ってゆーかさ、私悪くなくない?」 文句を呟き、地下への階段を降りた、その瞬間だった。 「え!?」 突如地震が起こり、貴方の意識は崩落と共に消えた。 ☆☆☆ 8月19日、午前1時。 「っつ~……」 茜が目覚めると、そこはおそらく病院の地下。 真っ暗闇で何も見えないが、瓦礫に押しつぶされている自分の体を見ればそれは容易く理解できた。 携帯を見ると、既に午前1時。 5時間は寝ていたことになる。 頼みの綱の携帯も既に電波は無い。 「……少し様子見して、危なくなれば引き返すつもりだったんだけど……まさかこうなるとは」 元々携帯の電波が無い場所に足を踏み入れるというのは分かっていた。 しかし虎穴に入らずんば虎児を得ずという言葉もあるように、多少のリスクは背負わないと真実は見つからない。 1階2階を探索した茜だから、なおさらそう思った。 だが今の現状……エレナが見たら間違いなくキレるだろう。 「っ……!」 と、電話が鳴る。 電波が無い状態で、鳴る電話。 それは確定的に、あの電話の主を指していた。 手が動くのは不幸中の幸いか、通話ボタンを押して耳元につける。 『…シテ、…ノ…ギョウ』 「こんばんはー。人形を返してほしいんだよね?」 『……人形、ないの』 「どんな人形かな?」 『……女の子のお人形。私の、友達』 「女の子のか。よし、私が見つけてあげるから、ちょーっと待っててね」 そういって通話が切れる。 名前聞けなかったな、と思いつつ体を瓦礫から抜け出そうと踏ん張っていると、目の前に突如気配を感じた。 そして…白いワンピースの少女の幽霊が、貴方の目の前に携帯の番号が書かれた紙を置くと、消えてしまった。 「……かけろって事か」 携帯を取り出すと、相変わらず圏外。 しかし、現状どうこうする手はない。 おとなしくその番号を入力し、通話ボタンを押す。 「な……これ……」 世界が回るような感覚と共に、再度茜の意識は暗転した。 ☆☆☆ 8月19日、午前3時。 気が付くと、貴方は和室にいた。 どこかの家だろうか、明らかに病院ではないというのがわかる。 「うっそでしょ……。第二ステージ?」 地下に人形がある。それを見つけて解決。 そう思っていたせいで、茜にも焦りが生まれる。 さすがに瓦礫は一緒に来なかったようで、痛む体を何とか起こし、携帯を取り出した。 同時に、携帯が鳴った。エレナからだった。 「もしもし……」 『ふっざけんなバカ!やっと出た!!今どこにいんの!!』 「私にもわからないって、白いワンピースの子と会って、いきなり地震が起きて潰されて、動く体でその子が残した番号にかけたらこんな所に出たのよ」 『わかんねーよ!ちゃんと説明しろ!』 めちゃくちゃキレてる彼女に、きちんと今まであった経緯を説明する。 その中で、自分から地下に近づいて崩落に巻き込まれたとは言っていない。 別に嘘はついていない。ただ真実を言えば、不可抗力とはいえエレナは更にキレるだろうからだ。 少なくとも、今は刺激しない方がいい。ライフライン確保の意味でも。 『……ふーん。とりあえず今、晶が病院にいるんだよね。中を見てる。それと、佳奈にも手伝ってもらったけど、茜の考えてるような子はいなかったよ。 死んだ子でぬいぐるみを大事にしてたって子は多かったけど、それが化けて出るなんて未練もってそうな子かって言ったら……該当者はゼロかな』 「そんなはずないでしょ。その大事にしてたって子、もう一度調べてみてよ」 『だってよく考えてみな。その着信の噂だって、廃病院になって暫くしてからだよ?病院がある時は、医療ミスや死亡する人が多くても、幽霊関係の噂はなかったって聞くし』 それはそれで問題だが、だとすればあの少女はいつ亡くなり、化けてしまったのか。 廃病院になった後だとすれば……。 『たぶん、あかねが考えている通りだと思うよ。佳奈が調べたんだけど、院長には一人娘がいたみたい。 その子、院長が自殺して暫くしてから交通事故で死んでるんだよね』 「じゃあ、今いる場所がその子の家ってこと?」 『多分ね。そこも把握してるけど、今は皆廃病院にいるんだよね。どうする?時間はかかるけどそっちに人回す?』 どうするか。 おそらく、こっちに来たわけだし、病院へと転移する番号がどこかにあるはずだ。 それに、別の場所に転移する番号だってある可能性もある。 もしくは、もっと調査してもらうことだって必要かもしれない。 人形のある場所だって探さなくてはいけない。 どこから手をつけたものか。 貴方に選択が迫られた。 ☆☆☆ 茜…HP560/MP195/OP60/状態:普通
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/75.html
【10】静かなる不穏(漣港他) 【終】静かなる不穏(洞窟) 【3】碧海の海(骨クジラの住処) 【エピ】前編エピローグ 戻る
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/123.html
藤八沙耶、志島武生、向坂維胡琉、六角屋灼の四人は大学部の図書館へとやってきた。 図書室の受付では眼鏡をかけた司書らしき女性がパソコンに向かっている。 「すみません、斉木さん・・でしょうか?本の整理を頼まれて来たんですが…」 年長の維胡琉が声をかけると女性は顔を上げ、立ち上がった。 「・・・・遅かったわね、私が斉木です。 あまり遅くなると今日中に仕事が終わらなくて困るのよ。 とりあえず、今日返却された本の片付けと、未返却の本のリストアップと棚違いになっている本の整理は・・これがリストよ。 それじゃあ、私は別の仕事があるから、宜しくね。」 若干嫌味交じりにそう言うと、人差し指で眼鏡をくいと持ち上げた。 リストと返却された本の乗ったカートを貴方たちの傍に置いていくと、再びパソコンに向かうのだった。 「なんか感じ悪いっすね…いかにもいき遅れのキャリアウーマン、的な。」 「しっ、志島さんっ、聞こえてしまいますよ!」 武生の言葉に思わず、藤八が人差し指を口元の前に立てながら、眉を下げた。 灼も斉木の態度に眉をピクリとさせたものの、武生がハッキリと口にすればそれ以上何も言うことはなく、首筋を撫でながらリストを片手に眺めれば小さく息を吐きだしていた。 「…実際仕事量多いですし、さっさと始めないと終わらなそうすね。」 「そうね、皆で協力して早く終わらせましょう?」 維胡琉が少し困ったような微妙な笑みでそういえば、全員で手分けをして作業に入るのだった。 ◆◇ そうして作業が終了すると、斉木も丁度仕事が終わったところだったようで先ほどよりも少し晴れやかな顔をしていた。 「思ったより早く終わったのね。助かったわ。ありがとう… ところで、貴方たち七不思議を調べてる、とか言ってたけど、地下の閉架もしらべるのかしら?」 「地下の・・・閉架ですか?」 藤八は思わず、きょとんとした眼差しで聞き返した。 「…あら、知らない?大学部の地階閉架の噂。」 そういうと、斉木は地下閉架にまつわる七不思議の噂を話してくれた。 「もし、調べるな事務局に許可を取ってきて頂戴ね? 私は帰るから、最後に施錠して事務局に鍵を返してきてくれれば問題ないわ。 ただしくれぐれも、本の棚を荒らさないように…」 第一印象とは打って変わって親切な斉木の様子に、武生と灼の二人が「女性って怖いな」などと思ったかどうかは定かではない・・ 【依頼:図書室の整理】達成! 【地下閉架】を調べることが出来るようになりました。 戻る
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/42.html
天使の福音事件A 天使の福音事件B 呪術と神剣 出雲の神子